- 近さが効くのは相談の場面
- 調査が動くのは相手の生活圏
- 遠方のときに出てくる委託の話
- 届出は営業所ごとに分かれている
- 交通費や宿泊費の扱いを先に聞く
「○○市 探偵」と地名を足して検索している方は多いと思います。近いほうが安心できる気はするものの、どこまで効くのかは分かりにくいところです。
近さが効くのは相談の場面
距離がはっきり効いてくるのは、会って話すときです。
- 往復にかかる時間
- 交通費
- 家を空けることになる時間の長さ
- 書面を受け取りに行くかどうか
いちばん重いのは家を空ける時間です。片道に一時間かかる場所なら、相談だけで半日近く動くことになります。家族に知られたくない事情があるなら、この半日をどう説明するかを考えなければなりません。
しずく「近いほうがいい」と感じる理由は、たいていここにあります。距離そのものより、留守の時間だと思います。
どこで会うかは選べます。場所ごとの注意点は探偵との面談はどこで行うのかにまとめました。
契約の前後には書面が交付されます。郵送にするか、その場で受け取るかも、距離で変わってきます。受け取り方の決め方は探偵に頼んだことが家族に知られる経路に書きました。
調査が動くのは相手の生活圏
一方で、調査そのものは事務所の場所では決まりません。
尾行や張り込みは、自宅や勤務先を起点に始まります。
事務所が近いことと、調査の現場に人を出せることは別です。
探偵業の業務の適正化に関する法律の第2条第1項は、探偵業務を、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その結果を依頼者に報告する業務と定義しています。実地の調査ですから、動く場所は相手の生活圏になります。
つまり「自宅から近い事務所を選んだのに、調査は遠方だった」という組み合わせも、「事務所は遠いが調査の現場には慣れている」という組み合わせも起こります。相談のときに、対象の行動範囲を伝えたうえで、その地域で動けるかを聞いてみてください。
遠方のときに出てくる委託の話
自宅から遠い地域で調査が必要になる場合、ほかの事業者に任せる形が出てきます。ここに条文があります。
同じ法律の第9条第2項は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならないと定めています。
探偵業者とは、第4条第1項の届出をして探偵業を営む者を指します(第2条第3項)。任せる相手も、届出をした事業者でなければなりません。
そして第8条第1項は、契約前に書面を交付して説明すべき内容として、探偵業務の委託に関する事項を挙げています。誰が実際に動くのかは、契約前に確認できる項目に入っています。
- 調査を担当するのはどの営業所か
- ほかの事業者に委託する場面があるか
- 委託する場合、報告の窓口はどこになるか
書面の9項目は探偵との契約前に確認することにまとめてあります。
しずく委託そのものが悪いわけではありません。誰が動くのかを知らないまま契約しないように、という話です。
届出は営業所ごとに分かれている
第4条は、探偵業を営もうとする者は営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会に届出書を提出する、と定めています。
支店や相談室が複数ある事業者は、それぞれに番号があります。サイトに載っている番号がひとつだけでも、営業所が複数あるとは限りませんし、その逆もあります。見るのは、自分が相談する営業所の番号です。
番号の意味と探し方は探偵業の届出番号とはに整理しました。
会って話せる場所を探しているとき
横浜と立川に営業所があり、相談のための部屋を調査の営業所とは別に設けている探偵社です。代表は女性で、会社概要のページには営業所ごとの届出番号が載っています。対応地域として挙げているのは東京・神奈川・埼玉・千葉です。会いに行くのが難しい事情があるなら、問い合わせのときに先に書いておいてください。
交通費や宿泊費の扱いを先に聞く
現場が遠い場合、移動にかかる費用が別立てになることがあります。
- 交通費の扱い
- 現場が遠方のときの宿泊費
- 車両を使う場合の費用
- 報告書の作成や送付にかかるもの
含まれているのか、別に請求されるのかは事務所と条件で変わります。金額をここで断定することはできませんので、見積の段階で確かめてください。第8条第1項は、支払う金銭の概算額と支払時期も説明事項に挙げています。
見積で見る場所は見積書の見方に、後から増えやすいものは追加料金が発生する場面に書きました。
結局どう決めるか
近さは、判断の材料のひとつです。優先順位をつけるなら、この順で見ていくのが分かりやすいと思います。
- 相手の行動範囲で動けるか
- 契約前の書面が出てくるか
- 会って話す必要があるか、あるならどこまで行けるか
- 移動にかかる費用の扱いがはっきりしているか
最初のふたつが満たされていない相手を、近いからという理由で選ぶ場面はありません。近さが決め手になるのは、そこが揃ってからです。
どこに相談すればいいか分からないとき
探偵社そのものではなく、話を聞いたうえで条件に合う事務所を案内してくれる窓口があります。相談だけで終わっても構いません。ただし、問い合わせのあとに電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
どこを基準に比べるかで迷っているなら、探偵事務所の選び方から読んでみてください。地名で絞る前に決めておくことを並べてあります。
地名で探しても近くに事務所が見つからない地域にお住まいなら、地方で浮気調査を頼むときも読んでみてください。顔見知りの多い土地で相談する方法と、遠くの事務所に頼むときに聞いておくことを書いています。
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)