- 分かっても、確かめる手順は変わらない
- どこまで踏み込んで調べるか
- 条文から言えること
- 相手の家庭に伝えるかどうか
- 整理しておくこと
相手にも家庭があるらしい。そう分かった瞬間に、考えることが一気に増えます。
分かっても、確かめる手順は変わらない
相手の家庭の事情が見えると、そちらに気持ちが向きます。向こうの配偶者は知っているのか、子どもはいるのか、どういう家なのか。気になるのは自然なことです。
ただ、手を動かす順番は変わりません。確かめたいのは配偶者の行動であって、相手の家族構成ではないからです。
先に固めるのは自分の配偶者の行動の記録です。
相手が誰で、どういう立場の人かは、後から必要になった段階で考えても間に合います。
しずく相談で多いのは、相手のことを調べ始めて、肝心の記録が止まってしまうケースです。
相手を追いかけている間も、配偶者の外出は続きます。その期間の記録が空白になると、後で並べたときに線がつながりません。書き方は浮気の記録の取り方にまとめました。
どこまで踏み込んで調べるか
相手が既婚だと分かると、調べる先が増えます。増えたぶんだけ、踏み込みすぎる入口も増えます。
- 別のアカウントを作って相手に近づく
- 相手の勤め先に問い合わせる
- 相手の自宅を探して周辺を見に行く
- 配偶者の端末に無断でログインして連絡先をたどる
上の3つは、こちらが動いたことが相手に伝わりやすいものです。相手の家庭に波風が立てば、その話はまず配偶者に戻ります。そこで警戒されると行動が変わり、その後は誰が調べても手がかりが減ります。
最後のひとつには法律が関わってきます。不正アクセス行為の禁止等に関する法律の第2条第4項は、電気通信回線を通じて他人の識別符号を入力し、制限されている利用をし得る状態にさせる行為を不正アクセス行為としています。配偶者のIDとパスワードで別の端末からログインする形は、ここに該当しうるものです。どこから先が条文に触れるのかは配偶者のスマホを勝手に見るのは違法かに整理しました。
しずく相手が既婚だと分かったからといって、こちらが踏み込んでよい範囲が広がるわけではありません。
条文から言えること
相手が結婚しているかどうかで、条文の書きぶりが変わることはありません。
民法第709条は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、と定めています。条文に「不貞」という語は出てきません。不貞行為がこの不法行為にあたるという整理は、条文の文言ではなく、解釈と裁判例の積み重ねによるものです。
相手が誰かを確かめておく意味が出るのは、相手方にも請求を考える場合です。判断の分かれ目は浮気相手の特定は必要かに書きました。
期間の制限も条文にあります。民法第724条は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間、不法行為の時から20年間、と定めています。起算点は浮気があった時点ではなく、知った時です。
- 何をもって「知った時」とするか
- どの程度の記録があれば足りるとされるか
- 相手の家庭に伝えた場合、その行為がどう評価されるか
どれも事案ごとの判断になります。ここから先を具体的に決めるなら、弁護士に相談してください。
相手の家庭に伝えるかどうか
伝えるという選択肢が頭に浮かぶと思います。今日決めなくて構いません。
伝えた後は、元の状態に戻せません。
こちらがどこまで知っているかも、同時に伝わります。
伝えた内容は、相手からその配偶者へ、そしてこちらの配偶者へと戻っていきます。その経路をこちらから止める方法はありません。何をどこまで確かめたうえで動くのか、順番を決めてからのほうが選べる幅が残ります。
整理しておくこと
相談に進むなら、先に次のあたりを書き出しておいてください。
- いつから疑っているか
- 外出の曜日と時間帯に偏りがあるか
- 相手が既婚らしいと考えた根拠は何か
- 相手の家庭に伝えるつもりがあるかどうか
既婚らしいと考えた根拠は、見たものと聞いたものを分けて書いてください。「休日に連絡が来ない」「指輪の跡を見た気がする」は推測で、「共通の知人から子どもの話を聞いた」は伝聞です。どれも確かめた事実とは別のものとして書いておくと、相談のときに話が混ざりません。
相手の家庭に伝えるつもりがあるかどうかは、先に答えを出しておくと話が早く進みます。動く予定があるなら、調べる順番そのものが変わってくるからです。
問い合わせのあとには電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておくと行き違いが減ります。
どこに相談すればいいか分からないとき
探偵社そのものではなく、話を聞いたうえで条件に合う事務所を案内してくれる窓口があります。相談だけで終わっても構いません。ただし、問い合わせのあとに電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
決めることが二つの家庭にまたがると、考えが止まりやすくなります。止まったときは、相手のことを調べる手を一度下ろして、今週の配偶者の外出を書き留めるところから戻ってきてください。
相手が一人ではなさそうな場合は相手が一人ではなさそうなとき、関係が長く続いていた可能性があるなら長く続いていた可能性に気づいたときに書きました。
- 民法(e-Gov法令検索)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(e-Gov法令検索)