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結婚前からの関係が続いていた|不貞になるのはどこからか

公開日

  • 境目は結婚した日に引かれている
  • 条文が定めていないこと
  • 変化が出てこない理由
  • 「いつから」は決めなくてよい
  • 確かめようとして踏み越えないこと

結婚前から知っている名前だった。付き合っていた時期があるとも聞いていた。その関係が今も続いているのかもしれない、という気づき方をすることがあります。

境目は結婚した日に引かれている

民法第770条第1項第1号は、配偶者に不貞な行為があったときを裁判上の離婚原因として挙げています。主語は配偶者で、婚姻関係があることが前提になっています。

結婚する前の交際そのものは、この条文が扱っているものではありません。

問われうるのは、婚姻の後も続いていた分です。

慰謝料の根拠になる民法第709条は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、と定めるだけです。条文に「不貞」という語は出てきません。不貞行為がこの不法行為にあたるという整理は、条文の文言ではなく、解釈と裁判例の積み重ねによるものです。

条文そのものは民法が定める離婚原因と不貞行為に引いています。

しずくしずく

条文を読むかぎり、線が引かれているのは結婚した日のところです。それより前までさかのぼる話は、条文には出てきません。

条文が定めていないこと

境目が分かっても、そこから先は書かれていません。

条文に書かれていないこと

  • 婚姻の後にどの程度の接触があれば不貞にあたるか
  • 結婚前からの関係であることが扱いに影響するか
  • どれくらいの記録があれば足りるとされるか
  • 相手が結婚の事実を知っていた場合にどうなるか

どれも判例と実務の蓄積によって扱われてきたことで、条文を読んでも答えは出てきません。結婚前から続いていたほうが重く見られる、という説明を見かけますが、条文にその定めはありません。

具体的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。

この記事は条文の整理であって、個別の事案についての助言ではありません。

変化が出てこない理由

この状況でいちばん厄介なのは、ここだと思います。

  • 出会いの段階がないので、新しい交友の話が出ない
  • 連絡の取り方も会う場所も、結婚前から変わっていない
  • 家で名前が出ても不自然に見えない
  • 兆候として挙げられる変化が、そもそも起きていない

長く続いているものは、すでに生活に馴染んでいます。「最近になって様子が変わった」という形の手がかりが出てこないので、チェックリストを見ても当てはまりません。

しずくしずく

よく見かけるのは、ひとつも当てはまらないので考えるのをやめた、という流れです。変化がないことは、何もないことと同じではありません。

見るところを、変化から繰り返しに移してください。

書き留めておくこと

  • 外出した日付と曜日、出発と帰宅の時刻
  • 言われた理由が、同じものを繰り返していないか
  • 連絡がつきにくい時間帯が決まっているか
  • 結婚前から知っている名前が、いつどんな形で出たか

いちばん効くのは曜日の偏りです。理由がはっきりしないまま同じ曜日の外出が続くなら、書き留めておく意味があります。書き方は浮気の記録の取り方にまとめました。日付と事実だけを書いて、感想は書かない形にしておくと、あとで読み返せます。

「いつから」は決めなくてよい

結婚前からだとすると、始まりの日を知りたくなります。ただ、そこを確かめないと先に進めない、という作りにはなっていません。

民法第724条は、不法行為による損害賠償の請求権について、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間、不法行為の時から20年間、と定めています。起算点は、浮気があった時点ではなく、知った時です。

ずっと前から続いていたという事実だけで、直ちに何も言えなくなるとは条文からは読めません。ただし、何をもって「知った時」とするかは事案によって変わります。数え方は不貞の慰謝料に時効はあるに整理しました。

気づいた日付だけは、今日のうちに書いておいてください。あとから「いつ知りましたか」と尋ねられたときに、手元のメモがあるだけで答えやすくなります。

書き方は短くて構いません。「10月17日、夜。結婚前から聞いていた名前の相手と、今も連絡を取っているらしいと気づいた。きっかけは、休日の外出の理由が同じ名前で3回続いたこと」。日付、気づいた内容、きっかけの3つがあれば足ります。そのとき感じたことは、別のページに分けて書いてください。

確かめようとして踏み越えないこと

相手が誰なのか見当がついているぶん、やりとりを直接読みたくなります。ここは止まってください。

  • 端末を勝手に開いてやりとりを読む
  • IDとパスワードで別の端末からログインする
  • 共通の知人に探りを入れる
  • 持ち物に位置情報の機器を付ける

不正アクセス行為の禁止等に関する法律は、第2条で「特定利用」を電気通信回線を通じて行うものに限ると定めており、第2条第4項の不正アクセス行為もいずれも「電気通信回線を通じて」を要件にしています。相手のIDとパスワードを使って別の端末からログインする行為は、この要件に当てはまり得ます。罰則は第11条で3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています。

持ち物に位置情報の機器を取り付ける行為は、ストーカー行為等の規制等に関する法律が定める位置情報無承諾取得等に関わります。位置情報を受け取らなくても、取り付けた時点で条文が挙げる行為に当たり得る書き方になっています。

共通の知人に聞くのも避けてください。結婚前からの関係なら、そのころの知人どうしのつながりも残っています。どの経路で伝わるかを、こちらから読むことはできません。

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大手弁護士法人のグループにある探偵社です。調査の後に慰謝料の請求や離婚の手続きを考えている場合、調べる段階と法的な手続きの段階が繋がっている点が違います。ただし法律相談そのものは弁護士の領域です。役割の違いは記事の中で説明しています。

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結婚前からだったと思うと、自分と過ごした時間のほうが後から来たように感じるかもしれません。それでも、確かめる手順そのものは相手が誰であっても変わりません。今週の外出を一行書き留めるところから始めてみてください。

出典

  • 民法(e-Gov法令検索)
  • 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(e-Gov法令検索)
  • ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov法令検索)

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