- 断りたくなるのは自然なこと
- 先に確かめるのは書面の種類
- 文字で一度だけ伝える
- 断るときに一緒に頼んでおくこと
- 断ったあとの進め方
配偶者の様子が気になって、探偵事務所に相談してみた。面談を終えて家に戻り、見積書を前にしているうちに、気持ちが引いてくる。この記事は、そうして依頼を断りたくなった側に向けて書いています。
断りたくなるのは自然なこと
断りたくなる理由はいろいろです。思っていたより費用がかかりそうだった。担当者の話し方が合わなかった。別のところに頼むと決めた。もう少し自分で様子を見たくなった。
どの理由でも、断ってはいけない理由にはなりません。相談したからといって、その事務所に頼まなければならない決まりはありません。
相談と依頼は別のものです。
話を聞いて、進めないと決める。そのために相談の場があります。
ためらいが出るのは、時間を取ってもらった申し訳なさからだと思います。ただ、依頼しない人がいることは相談を受ける側も分かっています。どこまでが無料で、どこから費用が生じるのかは探偵の無料相談はどこまで無料かに書きました。
先に確かめるのは書面の種類
断り方を考える前に、手元にある書面を見てください。契約を交わす前なのか、交わしたあとなのかで、話が変わります。
探偵業の業務の適正化に関する法律の第8条第1項は、契約を締結しようとするときは、あらかじめ書面を交付して説明しなければならないと定めています。説明する事項には、対価その他の金銭の概算額、契約の解除に関する事項、資料の処分に関する事項が含まれています。
同条第2項は、契約を締結したときに、契約の内容を明らかにする書面を遅滞なく交付することを定めています。
- 見積書と説明の書面だけで、署名した契約書がない
→ まだ契約を結ぶ前の段階として、断りを伝える
- 署名した契約書や、契約内容の書面を受け取っている
→ 解除の扱いは書面の定めを確かめてから伝える
どちらか分からないときは、署名をした紙があるかどうかを思い出してください。契約を結んだあとでやめたい場合の進め方と精算の話は、浮気調査を途中でやめたいで扱っています。
しずく見積書と契約書は見た目が似ていることがあります。紙の上のほうの表題と、自分の署名があるかどうかを見ると分かりやすいです。
文字で一度だけ伝える
伝える手段は、メールか問い合わせフォームがおすすめです。言ったことが残り、電話のように家族のいる時間に着信が鳴ることもありません。
理由を詳しく書く必要はありません。長く書くほど、そこに返事が来て、やり取りが続きます。
- 「先日はご相談ありがとうございました。検討の結果、今回は依頼を見送ります。」
- 「別のところにお願いすることにしました。お見積もりありがとうございました。」
- 「しばらく自分で様子を見ることにしました。今回は見送ります。」
「検討します」「また連絡します」で濁すと、返事を待つ連絡が続くことがあります。見送ると決めたなら、見送ると書いてください。
返事の中で別の案を出されたり、もう一度話そうと言われたりしても、同じ言葉を繰り返せば足ります。新しい理由を足さないほうが早く終わります。
すでに調査の日取りを仮に決めていた場合は、その日より前に伝えてください。日付が近いほど、相手も段取りを組み直す手間がかかります。
断るときに一緒に頼んでおくこと
断りの連絡には、2つのことを書き添えておくと、あとが楽になります。
ひとつは、連絡の手段です。「今後のご連絡は不要です」と書いておけば、電話がかかってくる心配が減ります。家族と暮らしているなら、ここは省かないでください。
もうひとつは、相談のときに渡した資料の扱いです。配偶者の写真、勤務先、記録のメモなどを渡していたなら、返却か処分をお願いしておきます。
資料の処分は、さきほどの第8条第1項で、契約前に説明する事項のひとつに挙がっています。受け取った説明の書面に、扱いが書かれていないか見てください。
あわせて、同法第10条は、探偵業者の業務に従事する者が業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定めています。業務に従事しなくなったあとも同様とされています。
しずく資料のことは聞きにくいかもしれませんが、断るときに一行添えるだけで済みます。「お渡しした資料は処分をお願いします」で十分です。
断ったあとの進め方
断ったからといって、確かめたい気持ちが消えるわけではありません。調べる必要がなくなったのか、相手が合わなかっただけなのかで、次にやることが変わります。
自分で様子を見ると決めたなら、日付と時刻と言われた理由だけを書き留めておいてください。いったん止めても、記録があれば同じところから再開できます。
相手が合わなかっただけなら、別のところで話を聞き直して構いません。一社目で聞いた内容は無駄になりません。何を聞かれ、どんな前提で金額が出たのかが分かっていれば、次の相談で同じ条件を伝えられます。比べるときの揃え方は探偵社の比較が難しい理由に書きました。
断ることも、自分で決めて進めていることのひとつです。一度見送ったところから、また考え直して構いません。
どこに相談し直せばよいか見当がつかないときは、条件を伝えて事務所を案内してもらう窓口もあります。問い合わせると、そのあとに電話で状況を聞かれるのが一般的です。出られない時間帯は、先に書き添えておいてください。
どこに相談すればいいか分からないとき
探偵社そのものではなく、話を聞いたうえで条件に合う事務所を案内してくれる窓口があります。相談だけで終わっても構いません。ただし、問い合わせのあとに電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
- 探偵業の業務の適正化に関する法律 第8条、第10条(e-Gov法令検索)