- 家計の記録という側面
- 紙とオンラインで分かれる
- 明細から分かること
- 分からないこと
支出の変化は、行動の変化より先に表れることがあります。確認の仕方を整理します。
家計の記録という側面
家計を共有している場合、支出の確認は日常的な行為でもあります。自分名義のカードや、自分も利用する家計用の口座であれば、内容を見ること自体に問題はありません。
しずく家計を見ること自体は普通の行為です。問題になるのは方法のほうです。
紙とオンラインで分かれる
ここでも経路によって扱いが変わります。
- 自宅に届いた紙の明細を見る
- 自分も名義人である口座やカードの明細を確認する
- 相手のIDとパスワードで、相手名義のサービスにログインして見る
相手のIDとパスワードでログインする場合については、不正アクセス行為の禁止等に関する法律が関わり得ます。
同法第2条は、特定電子計算機を電気通信回線に接続している電子計算機とし、特定利用を当該電気通信回線を通じて行うものに限ると定めています。第2条第4項第1号は、アクセス制御機能を持つ特定電子計算機に、電気通信回線を通じて他人の識別符号を入力して、制限されている利用をできる状態にさせる行為を挙げています。
相手名義のオンラインサービスに、相手のIDとパスワードで無断ログインする行為は、条文の要件に当てはまり得ます。
罰則は第11条により、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
同じ構造の説明は配偶者のスマホを見るのは違法かにもまとめました。
明細から分かること
自分が正当に確認できる範囲でも、見えるものはあります。
- 支出の日付と時間帯
- 曜日の偏り
- 利用先の業種
- 金額の変化
- 新しく増えた定期的な支出
大事なのは曜日の偏りです。その日に何があったかより、繰り返しているかどうかを見ます。特定の曜日に集中していれば、行動の記録と重ねて確認できます。
並べ方は手間がかかりません。3か月分の明細を手元に置き、気になる支払いの利用日の横に曜日を書き込んでいくだけです。毎週水曜の夜に同じ駅の近くで支払いがある、月末だけ決まった業種の利用が増える、といった並びが、一枚の紙の上で見えてきます。
しずく1回の支出より、月ごとの並びのほうが多くを語ります。
給油の間隔や走行距離と合わせて見ると、移動の範囲が見えることもあります。記録の取り方は夫の浮気を自分で確かめる方法と、その限界にまとめています。
分からないこと
明細から分かるのは、支出があったという事実までです。
- 誰と一緒だったか
- どういう目的だったか
- 相手が誰か
利用先の業種だけで判断すると、思い違いが生じます。仕事の関係や、他人への贈り物という可能性も残ります。
たとえば百貨店の利用が増えていても、親の誕生日や職場の慶事と重なっていることがあります。ホテルの名前が載っていても、宿泊ではなく館内のレストランの支払いということもあります。明細の一行だけで結論を出さず、日付を記録に移しておくところまでにしてください。
明細は、疑いを確定させるものではなく、規則性を確かめる材料です。
そのつもりで見ないと、根拠のないまま確信だけが強まります。
見た後にどうするか
支出の変化に気づいたとき、そこで問い詰めたくなります。ただ、一度警戒されると行動が変わり、その後は誰が調べても難しくなります。
記録として残しておき、他の要素と合わせて見るほうが確実です。証拠としてどう扱われるかは条文に定めがなく、個別の判断になります。具体的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
ある時期から明細に何も載らなくなった場合は、支払いが現金に移っていることもあります。そのときに見られるものは現金払いが増えたときの見分け方に書きました。明細に見慣れない通信料が載っていて、家の中で別の端末を見かけたことがあるなら、スマホが2台あったときの考え方も参考になります。
明細から規則性が見えてきても、そこから先は手元では詰められません。どこに持っていけばよいか決まっていない段階なら、話を聞いてもらうだけでも方向が出ます。
どこに相談すればいいか分からないとき
探偵社そのものではなく、話を聞いたうえで条件に合う事務所を案内してくれる窓口があります。相談だけで終わっても構いません。ただし、問い合わせのあとに電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(e-Gov法令検索)
