- どこで撮るかで変わる
- 敷地に入る場合
- 見張りにあたる場合
- 撮ったあとに起きること
証拠を残そうとして、カメラやスマホを向ける場面があります。条文で確認できる範囲を見ていきます。
どこで撮るかで変わる
撮影という行為そのものより、どこで、どうやって撮るかが問題になります。
- 公の場所で、通行人として撮る
- 他人の敷地に入って撮る
- 同じ場所で待ち続けて撮る
- 室内をのぞいて撮る
下に行くほど、関わる条文が増えます。
しずくカメラを向けた瞬間ではなく、そこに至るまでの行動で線を越えることが多いです。
敷地に入る場合
近づいて撮ろうとして、建物の敷地に入る場面があります。
刑法第130条は次のように定めています。
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。
マンションの共用部分、駐車場、店舗の裏手などが該当し得ます。撮影の目的があっても、それが正当な理由になるとは限りません。
見張りにあたる場合
同じ場所で待ち続ける行為については、ストーカー規制法の規定が関わり得ます。
第2条第1項一号は「つきまとい等」のひとつとして、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと、を挙げています。
ただし柱書に、恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、という条件が置かれています。配偶者の行動を確かめる目的がこれを満たすかは、条文の文言だけでは一義的に決まりません。
必ず該当するとも、しないとも言えません。
言えるのは、自分で判断して進めるには線が見えにくい領域だということです。
尾行や張込み全般については自分で尾行するのは法律上どうなのかにまとめました。
室内を撮る場合
外から室内をうかがって撮る行為は、上記に加えて別の問題が生じ得ます。この記事では条文で確認できたものだけを扱っているため、詳細には踏み込みません。
いずれにしても、勧められる方法ではありません。
撮ったあとに起きること
仮に撮れたとしても、その後に問題が残ります。
- 撮影中に気づかれる
- 手ぶれや暗さで何も判別できない
- 一枚だけでは状況が説明できない
- 撮ったこと自体が相手に伝わる
3つ目は実務的に重要です。一般に、単発の写真より継続性が読み取れる記録のほうが扱いやすいとされています。ただしどう判断されるかは事情によって変わります。具体的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
そして一度警戒されると行動が変わり、その後は誰が調べても難しくなります。撮ろうとして失敗したことが、最も大きな損失になる場合があります。
しずく一枚撮ることより、警戒されないことのほうが価値が高い場面があります。
証拠の考え方は不貞の証拠として何が必要とされるのか、手元でできることは夫の浮気を自分で確かめる方法と、その限界をご覧ください。
- 刑法(e-Gov法令検索)
- ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov法令検索)