- 説明のつく不在が増える時期
- 見えにくくなるのは時間ではなく偏り
- 余裕がないときに絞る記録
- 聞き方ひとつで手がかりが消える
- 自分の時間が残っていない
介護が始まってから、相手の行き先を確かめる余裕がなくなった。それでも引っかかるものが消えない。そういう時期があります。
説明のつく不在が増える時期
親の介護が重なると、家の中の時間割が作り直されます。通院の付き添い、施設との打ち合わせ、きょうだいとの連絡、夜間の対応。どちらの親であっても、平日の昼も夜も予定が入るようになります。
厄介なのは、この時期に外出の理由が増えることです。実家に寄る、書類を出しに行く、相談に行く。どれも本当のことが多いですし、時間の読めない用事なので、遅くなっても不自然になりません。
介護が始まれば生活が変わること自体は、どの家庭にも起きます。
帰りが遅い、連絡が減った、家にいる時間が短くなった。それだけでは、まだ何も決まりません。
念のために書いておくと、これは負担が偏ったから相手が離れた、という話ではありません。原因を自分の側に探し始めると、確かめることからどんどん遠ざかります。疑いが出たこと自体を責めないでください。
しずく介護の時期に不安が出るのは、確かめる余力が先に削られるからです。気持ちが弱いからではありません。
見えにくくなるのは時間ではなく偏り
この時期に消える手がかりは、帰宅時間そのものではありません。帰宅時間が遅れても説明がつくようになる、という点のほうです。
- 遅い帰宅という手がかり
- 休日に家にいないこと
- 連絡が取りにくい時間帯があること
- 急に出かけること
理由を追いかけても答えは出ません。介護がある以上、理由はいくらでも成り立つからです。残るのは、同じ形が繰り返されているかどうかになります。
余裕がないときに絞る記録
介護をしながら細かく記録を取るのは無理です。手が回らない前提で、書くものを絞ってください。
- 出かけた日付と、戻った時間
- その日、実家や施設に用があったかどうか
- 同じ曜日、同じ時間帯に寄っていないか
- 車を使った日
介護の用事は相手方の都合で決まるので、本来なら曜日はばらつきます。通院日や面会日のように決まっているものは別ですが、それ以外で同じ曜日に外出が続いているなら、書き留めておく意味があります。日付と事実だけを並べ、その日どう感じたかは書かないほうが、後から読み返したときに消耗しません。書き方と並べ方は浮気の記録の取り方にまとめました。
家計を分けていないなら、支出も同時に動きます。介護の費用が増える時期なので、そこに紛れると説明がつきにくくなります。引き落としの増えた月は、介護の分と分けて控えておいてください。
しずく一か月ほど並べても偏りが出ないことがあります。それはそれで、得られた答えのひとつです。
聞き方ひとつで手がかりが消える
疲れが溜まっているぶん、その場で聞いてしまいたくなります。
問いただした時点から、相手の行動のほうが変わります。
こちらが何に気づいているかも、同時に伝わります。
行き先を毎回確かめる、戻った時間を口に出す、実家に電話して裏を取る。どれも警戒を生みます。とくに実家やきょうだいに確かめると、経路の読めない形で本人に伝わります。警戒されると外出そのものが減り、見えかけていた偏りまで消えてしまう。その後に誰が調べても、そこからでは難しくなります。
同じ理由で、端末を見たり持ち物に機器を付けたりするのも勧められません。ここには法律が関わってきます。不正アクセス行為の禁止等に関する法律の第2条第4項は、電気通信回線を通じて他人の識別符号を入力し、制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為を挙げています。配偶者のIDとパスワードで別の端末からログインする形は、ここに当たりうるものです。ストーカー行為等の規制等に関する法律の第2条第3項第3号は、承諾を得ないで相手が所持する物に位置情報記録・送信装置等を取り付ける行為を挙げており、位置情報を取得しなくても取り付けた行為そのものが並んでいます。この条項には感情を要件とする文言も置かれているため、浮気を確かめる目的がそこに当たるかは条文だけでは決まりません。断定はできませんが、疲れているときに試すものではない、とは言えます。どこから先が条文に触れるのかは配偶者のスマホを勝手に見るのは違法かに整理しました。
自分の時間が残っていない
介護中に手がかりが集まるのは、平日の昼と、夜の遅い時間です。そして、そこは自分が動けない時間でもあります。
付き添いの予定が入っていれば外に出られませんし、夜に家を空けることもできません。仮に時間が空いたとしても、顔を知られているので距離を取っても気づかれます。移動を続けて記録するには、複数名で交代しながら追う形と、待機できる場所と時間が要ります。根性の問題ではなく、人数と時間の話です。
自分でできるのは家に残る記録を並べるところまで。外に出てからの時間は、別の話になります。
先に進めるなら、次のあたりを書き出しておいてください。いつから気になっているか、外出が重なる曜日と時間帯、介護の予定が入っている曜日、行き先の心当たり、そして確かめた後に自分がどうしたいか。介護の予定表がそのまま材料になるので、控えがあれば手元に置いておくと話が早く進みます。
問い合わせのあとには電話で状況を聞かれます。日中に付き添いが入っていて出られないなら、話せる時間帯をフォームの備考欄に先に書いておくと行き違いが減ります。
どこに相談すればいいか分からないとき
探偵社そのものではなく、話を聞いたうえで条件に合う事務所を案内してくれる窓口があります。相談だけで終わっても構いません。ただし、問い合わせのあとに電話で状況を聞かれます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
介護と重なっている時期は、確かめること自体を後回しにしてしまいがちです。順番に迷うなら、確かめる順序から読んでみてください。負担とリスクの低いものから並べてあります。
妊娠中や育児中も同じように余力が削られる時期です。妊娠中や育児中の浮気が不安と自分が体調を崩している時期にまとめています。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(e-Gov法令検索)
- ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov法令検索)