- その夜に決めなくていい
- 最初の一日でやること
- 問い詰めるのは後にする
- ひとつ出ただけでは足りないことがある
- 相談する順番
相手が寝たあと、居間に置きっぱなしの共有タブレットに通知が出た。上着のポケットから、二人分の宿泊のレシートが出てきた。何か月も気にしていたことが、急に形になって目の前にある。
この記事は、配偶者の浮気を確かめたい側に立って、裏づけになりそうなものが出た直後の動き方を書いています。
その夜に決めなくていい
はっきりしたものが出ると、すぐに何かを決めなければいけない気持ちになります。続けるのか、離れるのか、今夜話すのか。
実際にその夜決まるのは、何が起きていたかという事実のほうだけです。どうするかは、そこから先の話になります。
しずく手が震えて文字が読めない、という方もいます。それで普通です。今夜は、動かずにいることも立派な選択です。
今夜やるのは、残すことと休むことだけで足ります。
決めることは、明日以降に回して構いません。
最初の一日でやること
やることは多くありません。
まず、見たものを残します。書かれていた文字を紙に書き写すか、置かれた場所のまま写真を撮る。撮り終えたら、元の場所に元の向きで戻してください。物の位置が変わっていると、それだけで相手が身構えます。写真の保存先が家族共有のアルバムになっていないかも、撮る前に確かめておきます。置き場所の決め方は見つけた証拠の残し方と、やってはいけない保存の仕方に書きました。
次に、日付と、どういう状況で目に入ったかを一行で書き留めます。「10/18(土)23時、居間の共有タブレットに通知。表示名と一行目を書き写した」くらいで十分です。偶然目に入ったのか、何かを確かめていて見つけたのかは、時間が経つと自分でも曖昧になります。
この日付には、もうひとつ意味があります。民法第724条は、不法行為による損害賠償の請求権について、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは時効で消えると定めています。何をもって「知った時」とするかは事情で変わり、条文からは決まりません。ただ、自分がいつ何を知ったのかを残しておけば、後で弁護士に相談するときの手がかりになります。
最後に、眠れなくても横になってください。食べられるものを少しでも口に入れてください。翌日の判断は、その夜の体の状態に引きずられます。
問い詰めるのは後にする
出てきたものを見せて、その場で問いただしたくなります。ここだけは一晩置いてください。
相手が警戒すると、やり取りは消され、持ち物は片づけられ、外出の仕方も変わります。いま見えているものが、見えなくなります。そうなると、後から誰が調べても難しくなります。
もうひとつ、見つけ方によっては話がすり替わります。相手の端末を開いて見つけたものを突きつけると、返ってくるのが「なぜ勝手に見たのか」という言葉になることがあります。この先は、相手の端末やアカウントをさらに開いて確かめようとしないでください。条文が関わってくる場面があり、自分の立場を悪くします。
しずく言うかどうか、いつ言うかは、何を望むかが決まってからで間に合います。
話すと決めたときに備えて、切り出す前に整えておくことは浮気の話し合いの前に準備することに書きました。
ひとつ出ただけでは足りないことがある
出てきたものが、そのまま手続きで使えるとは限りません。
民法第770条第1項第1号は、裁判上の離婚原因として「配偶者に不貞な行為があったとき」を挙げています。ただ、条文が書いているのはここまでで、どんな証拠がどれだけ要るかは定めていません。実務では、一度きりの出来事より、継続していることが読み取れる記録が求められるとされています。
「出た」と「揃った」は別のものです。
関係を続けると決めるなら、手元のもので足りる場合もあります。請求や離婚まで考えるなら、何が足りないかを専門家に見てもらう段階に入ります。
相談する順番
手続きまで視野に入っているなら、相談先は二つに分かれます。
弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを業とすることはできないと定めています。請求や交渉の判断は弁護士に聞くことになります。一方、探偵業の業務の適正化に関する法律の第2条は、探偵業務を、聞込みや尾行、張込みなどで実地の調査を行い、結果を依頼者に報告する業務としています。足りないものを集めるのは、こちらの側です。
どちらに先に話すかは、手元に何があるかで変わります。つなぎ方は探偵と弁護士をどうつなぐかに書きました。
手元に出てきたもので足りるのか、まだ集めたほうがいいのか。そこを自分ひとりで見極めるのは難しいので、調べる側と手続きの側の両方を見ている窓口に、そのまま話してみてください。
法的な手続きまで視野に入れるなら
大手弁護士法人のグループにある探偵社です。調査の後に慰謝料の請求や離婚の手続きを考えている場合、調べる段階と法的な手続きの段階が繋がっている点が違います。ただし法律相談そのものは弁護士の領域です。役割の違いは記事の中で説明しています。
数日たって話すと決めたら、そのときは家か外か、いつ切り出すかを先に決めておくと当日に迷いません。決め方は浮気の話し合いの場所と時間に書いています。
今夜は、書き写したものをしまって、休むところまでで十分です。明日の自分が、続きを決められます。
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- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)