- 調べる人と、手続きを進める人は別
- つなぎ方は3通りある
- 先に弁護士へ聞いておくと、調べる範囲が絞れる
- 報告書を受け取ってから持っていくとき
- 紹介された弁護士に決めなくていい
調べてもらうなら探偵、慰謝料や離婚の話になれば弁護士。そこまでは分かっていても、二つをどうつなげばいいのかで手が止まります。どちらに先に電話するのか、何を持っていくのか、同じ話を二度するのか。そのあたりを順に見ていきます。
調べる人と、手続きを進める人は別
探偵業の業務の適正化に関する法律の第2条第1項は、探偵業務を、聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その結果を依頼者に報告する業務、と定めています。調べて、報告するところまでです。
一方で弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律事件について代理や和解その他の法律事務を取り扱うことや、その周旋を業とすることはできない、としています。請求や交渉を進めるのは弁護士の側です。
役割の違いそのものは弁護士と探偵どちらに相談するかで条文から確かめました。ここでは、その二つを行き来するときの段取りを考えます。
つなぎ方は3通りある
おおむね次のどれかになります。
- 先に弁護士に相談し、何を確かめればよいかを聞いてから調査を頼む
- 先に調査を頼み、報告書を受け取ってから弁護士に持っていく
- 弁護士とつながりのある探偵社を選び、続けて相談する
どれが正しいということはありません。決め手になるのは、確かめた後にどうしたいかがどこまで固まっているかです。離婚や請求まで考えているなら、先に弁護士の話を聞いておくと無駄が減ります。まず本当のことが知りたいだけなら、調べるほうが先でも構いません。
しずく相談で多いのは、調べ終わってから弁護士に会って、この日の記録もあればよかったと言われるケースです。先か後かより、間が空かないことのほうが効いてきます。
先に弁護士へ聞いておくと、調べる範囲が絞れる
弁護士に先に会う意味は、何を調べるかが決まることにあります。
民法第770条第1項第一号は「配偶者に不貞な行為があったとき」を離婚の原因に挙げていますが、どの程度の記録があれば足りるかは書いていません。どう判断されるかは事案によるので、自分の場合に何が要りそうかは弁護士に聞くことになります。協議で合意して離婚するなら、この条文の事由があるかどうかは問題になりません。目指す形によって、調べる量そのものが変わります。
期間の話もあります。民法第724条は、不法行為による損害賠償の請求について、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは時効で消える、と定めています。何をもって知った時とするかは事案によるので、気になるなら最初の相談で聞いておいてください。
弁護士に聞いておくと、探偵への相談で話が早くなるのは次のあたりです。
- 自分が目指す形で、どんな記録が要りそうか
- 相手方の名前や住所まで分かっている必要があるか
- 時効を気にしなければならない時期か
- 調査の結果を受け取った後、どの段階でまた相談すればよいか
探偵に問い合わせるときは、弁護士にこう言われた、とそのまま伝えて構いません。調べる日数や範囲を決める手がかりになります。
報告書を受け取ってから持っていくとき
調べるほうを先にした場合は、受け取った報告書を弁護士に見せるところから始まります。そのとき一緒に持っていくと話が早いものがあります。
- 調査の報告書
- 探偵社と交わした契約の書面
- 自分で付けていた記録(日付と事実だけのもの)
- 疑い始めた時期と、そのきっかけの短いメモ
契約の書面を持っていくのは、何を、いつ、どういう方法で調べたかが書かれているからです。探偵業法第8条第2項は、契約を結んだ後に、調査の内容、期間および方法を書いた書面を渡すよう定めています。報告書だけでは分からない前提が、こちらに残っています。
報告書の写真をスマホで撮って送るのは避けてください。家族と同期している端末やクラウドに残ると、そこから知られることがあります。受け取った後の決め方は浮気調査の後どうするかに書きました。
紹介された弁護士に決めなくていい
探偵社に相談すると、弁護士を紹介すると言われることがあります。受けるかどうかは自分で決められます。
先に書いたとおり、弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務の周旋を業とすることを禁じています。個々の紹介がこれに当たるかどうかは事情によるので、ここでは断定しません。ただ、紹介を受ける前に次の2点は聞いておいてください。
紹介そのものに費用がかかるか。
弁護士とは自分で別に契約するのか。
弁護士との契約は探偵社との契約とは別で、費用もそれぞれにかかります。金額は事務所と事案で変わるので、ここで数字は示せません。請求の手順そのものは慰謝料を請求する流れにまとめています。
もうひとつ、資料の渡し方も決めておきます。探偵業法第10条は、探偵業者が業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定めています。報告書を探偵社から弁護士へ直接送ってもらいたいなら、自分からそう頼んでおくと行き違いがありません。
しずく同じ話を二度するのはつらいものです。記録とメモを1冊にまとめておくと、どちらに行っても同じものを見せるだけで済みます。
調べる先と相談する先が近いという選び方
二つの窓口を自分で行き来するのが負担なら、弁護士法人のグループに入っている探偵社を選ぶという手もあります。調べた後に、手続きの相談先を一から探さずに済みます。もちろん、そこで弁護士まで決めなければならないわけではありません。
法的な手続きまで視野に入れるなら
大手弁護士法人のグループにある探偵社です。調査の後に慰謝料の請求や離婚の手続きを考えている場合、調べる段階と法的な手続きの段階が繋がっている点が違います。ただし法律相談そのものは弁護士の領域です。役割の違いは記事の中で説明しています。
問い合わせの後には、状況を確かめる電話がかかってきます。弁護士に相談済みかどうか、何を目指しているかを、その電話で伝えておくと話が早く進みます。出られない時間帯があるなら、フォームの備考欄に先に書いておいてください。
どちらに先に会うかは、明日決めなくても構いません。手元の記録を続けながら、確かめた後にどうしたいかを少しずつ言葉にしておくと、どちらの相談でもそこから話が始められます。
報告書が届いたら、弁護士に見せる前に一度、自分の記録と並べて読んでおくと聞きたいことがはっきりします。読み方と事務所に確かめておくことは報告書を受け取ってから確かめることで整理しています。
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)
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