- 条文が定めている役割
- できることの範囲が違う
- どちらに先に相談するか
- 当サイトの立場
調べ始めると、弁護士と探偵の両方が候補に出てきます。何が違うのかを条文から確認します。
条文が定めている役割
探偵の側
探偵業の業務の適正化に関する法律の第2条第1項は、探偵業務を次のように定義しています。
他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報を収集することを目的として、 面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、 その調査の結果を当該依頼者に報告する業務。
実地の調査と報告、という範囲です。法律事務は含まれていません。
弁護士の側
弁護士法第3条は、弁護士の職務を次のように定めています。
当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うこと。
さらに第72条は、弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で、一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができないとしています。
違反した場合の罰則は第77条に定められており、2年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金です。
しずく調べる役と、法律の手続きを進める役が、条文の上で分かれています。
できることの範囲が違う
条文を踏まえると、おおむね次のように分かれます。
- 対象者の行動の調査
- 実地での確認と記録
- 調査結果の報告
- 法的な手続きの見通しについての相談
- 相手方との交渉や代理
- 請求や訴訟の手続き
- 集めた資料の評価
最後の項目は見落とされやすい点です。集めたものが目的に対して意味を持つかどうかの判断は、法律事務の側に入ります。
証拠については自分で集めた証拠は使えるのかにも書きましたが、条文には証拠の基準がないため、判断は個別になります。
どちらに先に相談するか
順序に決まりはありませんが、考え方はあります。
- 何を目指すかがまだ決まっていない
- 手続きの見通しを知りたい
- そもそも調査が必要かどうかを判断したい
- 事実関係を確かめないと話が進まない
- 相手の行動を把握する必要がある
- 目的ははっきりしている
3つ目に挙げた「そもそも調査が必要かどうか」は重要です。目的によっては、調査をしなくても進められる場合があります。
民法第770条は裁判上の離婚について定めた条文です。
協議で双方が合意するなら、この条文の事由があるかどうかは問題になりません。
条文の詳細は民法が定める離婚原因と不貞にまとめました。証拠集めだけが目的化しないよう、自分がどの段階にいるのかを先に整理しておくほうが確実です。
しずく調べることが目的になってしまうと、何のためだったのか分からなくなります。先に目的を決めてください。
探偵であっても制限は受ける
もうひとつ押さえておきたい点があります。
探偵業法第6条は、この法律により、他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないと定めています。
探偵に頼めば何でも調べられる、という誤解を持ったまま相談に行くと、話がかみ合わなくなります。
当サイトの立場
当サイトは条文と公的な資料を確認して情報を整理しているサイトであり、法律事務は行いません。
この記事も条文の整理であって、個別の事案についての助言ではありません。具体的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
探偵事務所の選び方は探偵事務所の選び方にまとめています。
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)
- 弁護士法(e-Gov法令検索)
- 民法(e-Gov法令検索)